食と、東北と、編集長
佐藤仁
宮城県には北上川や阿武隈川などのさまざまな川があり、秋のシーズンになると秋鮭(=白鮭)が産卵のために遡上します。宮城県は白鮭の漁獲量が非常に多い地域なのですが、そんな宮城県の沿岸部に位置する亘理町では、秋鮭を使用したはらこめしが郷土料理として愛されています。「はらこ」というのは、この地方で「いくら」を指す言葉(”サケの腹に入っている子”から「腹子(はらこ)」と呼ばれるようになったらしいです)で、この”はらこ”と秋鮭の身を使った炊き込みごはんがはらこめしなのです。今回は現地で最も有名なお店ではらこめしを食べてみましたので、そちらをご紹介します。
宮城県亘理町ではらこめしを食べるならここ、和風レストラン 田園さん。メディアにもよく出る有名なお店です。田園さんは亘理店・山本店の2店舗があるのですが、どちらも宮城県の沿岸部にある国道6号線沿いに位置しています。今回ははらこめしの本場、亘理町にある亘理店に伺いました。
目印はこちらの看板。国道6号線を走っていると、こちらの看板が目に入ります。
店内は和風モダンな感じで、非常に入りやすく居心地がいい空間になっています。
ルビーのような輝き
「田園さんではらこめしを食べたい!」という方にはまずこちらのはらこめし定食をおすすめします。最もスタンダードなタイプで、小鉢、お新香、味噌汁付きの定食。他にも、ミニサイズの「はらこめしミニ定食」やちょっと贅沢な「特製はらこめし膳」などがありますが、迷った方はこちらを頼めばまず間違いありません。
余計な言葉は要らないと思いますが、見てくださいこの輝きを。これが本場のはらこめしです。
価格
本体価格1,900円(税込2,090円)
食べた感想
まずはこの秋鮭の身。なんとふわふわしっとりなこと…。鮭はタンパクでパサパサしがちですが、そんなことは一切なし。優しい出汁の味わいが口にふんわり広がります。そして次にごはん。鮭の出汁がしっかりと出てシンプルに旨い。しかし鮭やいくらの主張を邪魔しないくらいの優しい味付けになっており、これまた絶妙な味わい。そしてはらこ(イクラ)。こんな弾力のいくら…食べたことないんですが…。プチプチ食感、そして噛んだ瞬間にはじけるイクラの旨味がもーーーたまりません。これらをすべて同時に口に入れると…ええ、優勝です。それもそのはず。田園さんは厳選された沖獲りの「銀系雄鮭」という鮭、そして最上級の生イクラを一番美味しい時期だけ出しているそうです。そりゃ美味しいわけです…幸せいっぱいになって帰ってきました。
はらこめしは秋の炊き込みごはんの王様と言っても過言ではありません。ちなみに、田園さんレベルの味は無理ですが、今のシーズンはスーパーなどにも秋鮭が出回っているので、自宅でも作れます。ぜひチャレンジしてみてくださいね〜!
田園さんは最も美味しい”旬”を迎える食材を使用して、シーズンごとにさまざまなメニューを出されています。時期改め、別のメニューを楽しむのもあり。何度でも通いたくなっちゃうお店です。
和風レストラン 田園 亘理店
〒989-2381 宮城県亘理郡亘理町逢隈上郡上147
WEB http://denen-miyagi.com/
TEL 0223348760