【取材】Hitoshi Sato×Ruka Fujiyama Next Generation Talk ~東北の悩める若者へ送る~

食と、東北と、編集長

佐藤仁

これは東北出身の2人が語る
「自分が”自分”に出会うまで」のハナシ。

※本記事は食と、東北と、編集長 佐藤仁のnoteから文章を引用しています。

東北出身の2人が語る「自分が”自分”に出会うまで」

秋田県にある進学校 “秋田南高校”、そして国立大学”東北大学”を卒業した佐藤仁と藤山るか。

この2人には大学在学時にある「壁」にぶつかったという共通点が。2人が当たった「壁」とは一体何なのか。そしてその先には一体何があるのか。

次世代を担う若い人たちに届けたい、2人の “Next Generation Talk”、ぜひご覧あれ。

人物紹介

佐藤 仁 | Hitoshi Sato

秋田南高校を卒業し、東北大学農学部へ。大学で水産学を専攻し、卒業後は東北地方で働くことを決め、地方の水産食品メーカーへ就職。その後、水産小売業に転職。会社員としてキャリアを積む傍ら、地元秋田県及び東北地方の「食」に関わる情報発信活動も行う。

藤山 るか | Ruka Fujiyama

秋田南高校を卒業し、東北大学農学部へ。大学で動物学を専攻し、卒業後は美容アパレルマーケティング会社へ就職。会社員としてキャリアを積む傍ら、被写体モデルとしても活躍し、さらに現在活動の幅を広げようと奮闘中。

秋田南高校と東北大学

佐藤
佐藤

秋田南高校と東北大学ってどんな学校だった印象?

藤山
藤山

南高はやっぱり進学校って感じで、東北大にどんどん行こう!みたいな(笑)

東北大はみんなやっぱり頭良い印象があって、就職先も研究職だったり、大手食品会社だったり。先生になった人もいたかも。

私みたいに美容マーケ系に進んだ人は同期にはいなかったです。

佐藤
佐藤

同じ同じ(笑)南高はなんやかんやみんな真面目で。東北大もすごい人たちがたくさんいた。

ちなみに高校の時から美容マーケ系に進もうと思ってたの?

藤山
藤山

何となく美容系がいいなーくらいは意識してました。実は美容系の専門学校に行くことも検討してたんですけど、先生に説得されたこともあって、東北大に行くことを決めたんですよね。

東北大の農学部は、進学してから美容・医療・食品…いろいろ分野選択できるみたいだったので。

佐藤
佐藤

偉い!俺は高校の時は何も考えてなかったなぁ。高校卒業地点では決められないから、分野選択の幅が広い東北大農学部にしたんだよね。東北で一番大きな大学だったし!水産系に興味を持ったのは大学に入ってから。

もうすぐ卒業…そんな時に気付いた ” え、何か違う “

佐藤
佐藤

大学に入って、純粋に海って面白そうだなと思って2年生の時に水産コースを選択したんだよね。

それで、4年生になって本格的に研究が始まって…実際に研究をし始めてあることを思ったんだよね。それが「え、何か違う」っていうことだった。

東北大の理系の人たちは、約8割の人が大学院に進んで、研究職に進んで…っていう進路だけど、「なんか違う…自分にはできないかも」って思ってね。

でも、卒業まで時間ないし、周りのみんなは大学院に進んでるし、先生たちは「大学院行くでしょ?」みたいな感じだし…「え、自分どうしよう」ってなった。

その時に、”こういうのがやりたい”っていうものが自分にないことに気付いたんだよね。4年生の時は本当にいろいろ悩んで、大学になんで入ったんだろう、自分は何がしたいんだろうって思ってた。

その時初めて、「ああ、今まで人に流されて生きてきたんだな」って思った。

藤山
藤山

あーなんかその感覚めっちゃわかります。

佐藤
佐藤

高校にいた時はとりあえず勉強できてればいい、大学に行ければいい、みたいな雰囲気だったけど、大学卒業間際にそんなことに気付いてしまって。

自分のやりたいことってなに?え?みたいな。お先真っ暗。真面目に勉強することは悪いことじゃないけど、ただ勉強するだけじゃダメなんだなって。

それで、自分はこれからどうすればいいのかわからなくなって、結局1年留年して。

そんな時、たまたま2つ年上のサークルOBの先輩に会ってね。「とりあえず就活やりな」って言われて、とりあえず何か行動しなきゃいけないんだなと思って、とりあえず就活を始めた。

その時に、これまでの自身を振り返るタイミングがたくさんあって、自分はやっぱり研究じゃなくて、もっと商売的なことがしたいんだなって気付けて、食品会社に就職する道を選べたんだよね。

みんな進学するから、私も大学院に

藤山
藤山

私も大学4年生から本格的な研究が始まったんですけど、私の場合は動物コースで牛の病気の研究を専攻してました。

でも実際やってみながら、あーやっぱりなんか違うかなって思っちゃって。選択した研究分野を誤ったかなという気持ちもあったんですけど…実は私、その研究分野の大学院に進んだんですよ。

その理由が、やっぱり周りの人に流されちゃったってことで。同期は全員大学院に進んでるし、周りには誰も就職してる人はいなくて。大学の先生も「理系は大学院までがセットだから」って言ってて。

だから、「大学生活を延長させて、自由な期間が増えるかな〜」くらいの気持ちで大学院に進学したんです。でもそれからが大変で。

やっぱり大学院まで進むと毎日研究研究…なんですけど、私はそこまで研究に没頭できなくて、モチベーションが保てなくて。

それで、「私何やってんだろ」みたいな感じになって、自分がよくわからなくなって、自信も無くしちゃいました。

佐藤
佐藤

非常にわかる。「なんか違う」ってモヤモヤし始めると、だんだんモチベーションもなくなって、立ち止まってしまうよね。

藤山
藤山

この一連の出来事を経て、自分は人に流されてたんだなぁってすごく感じたんですよね。

自分に素直に。

佐藤
佐藤

結局のところ、るかさんと俺に共通するのは、「自分に素直になれていなかった」ということだと思うんだよね。

きっと高校の時も、「いい大学に行ければ褒められる」とか、大学の時も「周りのすげー人たちが行くところに、一緒に進めば自分もすごい」みたいな感じで変に見栄を張ったりしていて、本当の自分に嘘をついていた部分があったと思うんだ。

逆にこの経験を通してそういうことに気づけてよかったかもしれないね。

藤山
藤山

たしかにそうかも。私もそんなことがあってから、”人に流されないで、自分だったらどう思うのか、どう選択するのか”を考えるようになりました。

就活ではたくさんの会社を受けて、結局今勤めている1社だけ内定を頂いてたんですけど、自分の好きな美容系に進むことができてよかったと思っています。

佐藤
佐藤

俺もそう。それから「自分はこんなことがやりたい」「これが自分だ」みたいな意識が生まれたかもしれない。

ちょっと遠回りだったかもしれないけど、一回違う方向に進んで壁に当たって「違う」って思ったからこそ、今があるよね。

藤山
藤山

それが、本当の”自分”に出会えた初めてのタイミングだったのかな〜。

“自分”が生み出す新たな自分のカタチ

佐藤
佐藤

俺がすごくかっこいいなと思ってるのが、【美容アパレルマーケ×被写体モデル】っていう、るかさんらしい生き方。なんか、新しくてかっこいいよね。

東京で会社員として美容アパレルマーケの仕事をしながら、被写体モデルとしての一面も持ってる。

「自分は何がしたいのか」ということを真剣に考えたからこそ、【美容アパレルマーケ×被写体モデル】っていう自分らしい組み合わせができたと思う。

ちなみにこれからどんなことにチャレンジしていきたいと思ってる?

藤山
藤山

まだフワフワしているのが正直なところです(笑)

今、会社員として働いているのは「まずはお金を稼いで楽しく生活したい」と思ったこともあったんですけど…。

いきなり被写体モデルとして独立して…みたいなのはやはり現実的ではなくて。まずは会社に勤めて給与をいただきながら、様々な経験をさせてもらって、成長していきたいと思って。

ただ、時代的に今、自由な働き方ができるようになってきてるので、あまり型には当てはめず様々なことにチャレンジして、将来的に自分で稼ぐ力をつけることが目標です!

佐藤
佐藤

しっかりしてるなぁ(笑)

俺は今、【小売業×食の情報発信】っていう感じなんだけどね。

東北地方って、人も、モノも、環境も、すごい魅力的だと思うんだよね。でもその魅力が伝わりきってないような気がして…。だから、”伝える”っていうことをしていきたいんだよね。

伝え方にもいろいろあるとは思うんだけど、まずは1つ、「小売業」というお客様の目の前で何かを伝える仕事がしたくて。

東北に住んでいる人でも、意外と自分がいる場所の魅力に気付いてないことってあると思うんだ。

俺は”水産”っていう専門的な分野をずっと勉強してきて多少知識はあるから、「地元にこんな美味しい魚があるんだよ」っていうのを地元の人に伝えていきたい。

それと、「食の情報発信」も同じ想いでやっていて、まだ知られていない、広まっていない東北の食の魅力を積極的に世に出していきたいんだよね。

今は会社員としても忙しい日々を送ってるから、両立できるように、手元にあるSNSを使ってできる範囲で。これからSNSに限らず様々なことにチャレンジしたいとは思う!

藤山
藤山

あの経験があったからこそ、自分に素直になれたからこそできた自分の新しいカタチですね。

あの時壁に当たって、今はよかったと思います(笑)

本記事を通して伝えたいこと

みなさん長文を読んでいただき、ありがとうございました。

さて、2人の会話はいかがでしたでしょうか?勉強は得意で、国立大学へ進学した2人。一瞬、順調のように見える2人。

しかしながら、「自分に素直に生きる」ことができず、自分の意志を持たず、周りに合わせて生きてきたことで、ある時大きな壁にぶち当たってしまいました。

本記事を通して皆さんに伝えたいことは、「もっと素直に生きていいんだよ」ということです。

自分の好きなこと、やりたいこと、熱中できること…これを自分の奥底にしまわず、もっと出して、自由に、楽しく生きていく。それで幸せなら、いいじゃないですか。

素直な自分は個性や強い意志を生みます。自分の意志で何かにチャレンジする。失敗しても、成功しても、これほど人生に生きがいを感じるタイミングはありません。

最近私はよく、若い世代の方を中心に「自分のやりたいことがわかりません」という相談を受けます。

モノや情報が溢れる世の中、勉強さえできればいい企業に就職できてしまう世のシステム…きっと様々な要因でこういった状況が出来上がっているのだと思います。

でも別にそれを責めることはありませんし、そのことを悲観する必要もありません。わからなければ、探せばいいだけ。近くにいる人を全力で応援してみたり、何か一緒に行動してみたり。その中で、自分の中にいる”自分”に気付けるタイミングは、たくさんあるはずです。

私もるかさんも、心のどこかで「自分に素直になってはいけないのではないだろうか」と思っていました。でも、今は違います。もっともっと自分に素直に、これからいろいろなことにチャレンジしていきたいと思っています。

この2人の「気付き」が次世代を担うみなさんの「気付き」に繋がればいいな…そんなことを思い、書かせていただきました。

長文でしたが、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

(佐藤仁)